車やバイクが好きな人、また、車の利用が生活の一部になっている人にとっては、ガレージハウスは大きな魅力ですね。
家族と自動車が共存できる、新しいライフスタイルを実現してくれるのが、ガレージハウスと呼ばれる住宅形態です。
ここでは、ガレージハウス・ビルトインガレージ、ガレージの家の特徴とメリットやデメリット、建てる前に知っておきたい基本的な知識などを紹介します。
ビルトインガレージ・ガレージハウスとは?
ガレージハウスとは、車庫と建物が一つになっている住宅のことで、ビルトインガレージ、インナーガレージとも呼ばれています。
家の中にガレージがあり、生活空間と駐車スペースが一体化している住居です。
ガレージハウスは、都心部や車での生活が必要な地域では、さまざまなメリットを提供してくれます。
おしゃれなビルトインガレージ
住宅と車庫が一体化したビルトインガレージでは、愛車の美しさが映える照明を設置し、車と共存する楽しい空間を作ることができます。
壁面にDIYの工具棚を作ったり、作業スペースに机や椅子を設置したり、インテリアを工夫して、おしゃれな空間にするのもおすすめです。
鏡を設置することで、圧迫感のないより広い空間が演出でき、高級感あるビルトインガレージにすることも可能です。
ガレージハウス、ビルトインガレージのメリット
ガレージハウスには、生活面や費用面で多くのメリットがあり、都心でも地方でも、近年注目されつつあるハウスモデルです。
ガレージハウスの生活面でのメリット
車を使った生活が必須の地域では、ガレージハウスで子育てや介護などの、日々の生活が格段と便利になります。
子供の学校や塾の送り迎え、高齢者の通院や介護施設への移動、買い物の荷物の運び入れがスムーズに行えるなどのメリットがあります。
住居と車庫がつながっているため、雨の多い季節や寒さの厳しい地域では、風雨に当たらず乗降でき、天候に煩わされることなく車が利用できます。
急用の時にも速やかに出発でき、夏場の炎天下で高温になった車に乗ったり、冬場に雪を落として車を温めたりする作業からも開放されます。
休みの日にはガレージで車をカスタマイズし、タイヤやオイル交換をする楽しみもあります。
日常の中でいつでも好きな時に愛車を眺め、心ゆくまで鑑賞できるのは、車好きには最高の時間です。
遠方に出かけなくても車を少し移動させて、天気を気にせず友達や家族と、バーベキューを楽しむこともできます。
ガレージハウスの経費面でのメリット
自宅から距離のある駐車場に高い月極駐車料を払い、また、複数の車やバイクを所有していると、都心での車の維持費は高額になりがちです。
ガレージスペースのために、1階部分の居住用面積は狭くなりますが、都心部の高い駐車場を借りなくても良いというメリットがあります。
屋根やシャッターがあるため車を安全に保管し、外部からのダメージから車を守り、メンテナンス費を削減できます。
風雨にさらされている車より、ガレージハウスに駐車している車の方が、タイヤや車体の耐用年数が長くなり、洗車の回数も減ります。
また、サーフボードやダイビングのギア、ゴルフのセットなどの収納でも、コンテナハウスを借りなくても保管できます。
また、外から車が見えないことで、盗難やイタズラなどの、犯罪被害が減ります。
ガレージハウスの法律面でのメリット
建築基準法では、駐車場に屋根がある場合、住居とつながっていなくても建物の延床面積に含めて計算し、建築規制が適用されます。
ガレージハウスでは、ガレージ部分の面積が、建物の床面積の5分の1未満であれば、延床面積から除外できる「容積率の緩和措置」が受けられます。
容積率の緩和措置は自治体によって異なるため、事前確認が必要ですが、都心部の狭い土地で、建坪面積を有効利用した家が建てられます。
ガレージハウスでは、床面積の5分の1未満が延床面積に含まれないため、ガレージ部分の建物に対する固定資産税が節税になります。
その他のガレージハウスの利点
ガレージハウスはささいな事でも、毎日車を使っている人にとっては、大きなメリットになります。
新しいライフスタイルを作るきっかけともなりえる、ガレージハウスのメリットについて、おさえておきましょう。
その他のガレージハウスのメリットは
・車が家の中にあるので、風雨や紫外線にさらされることがない
・強風の時の飛来物で、車に傷がつく心配がない
・猫の足跡や鳥の糞などの被害に遭わなくてすむ
・駐車している車に、イタズラされることもない
・防犯性が高く、愛車を盗難から守ことができる
・車の乗り降りで、屋外を歩くことがなく、雨に濡れない
・車と家の距離が近いので、荷物の移動に便利
・手入れのための工具をそばに置き、いつでも車の調整ができる
・駐車場を借りる必要がないので車の維持費を抑えることができる
・狭い土地でも、1階をガレージにして、2階・3階を住居にできる
・開いたスペースに、バイクを置いたり、アウトドア用品を収納したりできる
・DIYの作業スペースや、素振りなどの練習に利用できる
・ガレージセールなどのイベントやホームパーティに利用できる
です。
ガレージハウスのデメリット
ガレージハウスでは車庫のために1階部分の住居空間が減り、主な居住スペースが2階以上となります。
また、住居スペースへの荷物の搬入や、老人の階段の上り下りなどの不便さもあります。
実用面・建設面でのデメリットも認識しておきましょう。
ガレージハウスの建設面でのデメリット
ガレージハウスでは、車の出入りする開口部を広く取るために特殊な構法がとられ、建設費が通常の住宅より高くなります。
一般的な木造住宅の立て方では、耐震性や強度に問題が生じるからです。
建物も容易に増築できないため、必要とする車幅の車が、必要台数が駐車できるか計算して設計する必要があります。
キャンピング用の車や介護用の車種など、車幅や長さを確認し、無理なく駐車・乗降できるスペースを確保しましょう。
ワンボックスカーでは高さが2m近くなることもあり、天井の高さにも配慮が必要です。
ガレージハウスの設備面でのデメリット
ガレージハウスは、用途が一般住宅とは異なるため、設計段階でガレージハウス特有の設備が必要です。
夜間、シャッターを締めた後でも作業できるように照明設備や、洗車のための水道栓も必要です。
排気ガスへの対処
2階や3階の住居部分に、排気ガスなどの汚れた空気や匂いが入ってこないように、大型の換気扇を設置し、汚れた空気を外部に排出します。
排気ガスで壁が汚れないように、汚れを落としやすい外壁素材や外壁塗装を施すことをお勧めします。
防音対策
車やバイクのエンジン音は、建物の壁を伝って住居部分に伝わりやすいため、防音対策が必要です。
設計時に、上に音が伝わりやすい部分にはリビングや寝室ではなく、浴室やトイレがくるような間取りにすると、騒音を軽減できます。
シャッター
シャッターは手動式と自動があり、自動開閉では費用も高くなりますが、利便性は格段とアップします。
車庫の扉の開閉音が気になる場合は、オーバースライダー型のシャッターで、音を軽減するのがおすすめです。
ビルトインガレージでは、柱や壁が少なくなるため、1階部分に強度を持たせる建築技術が必要になります。
まとめ
ガレージハウスは、車好きな人、車の利用頻度が多い人にとって、魅力的な住宅の選択肢です。
開口部を広く取るため、耐震性のある構法で建てる必要があり、建築費も高くなります。
しかし、ガレージハウスにすることで豊かな生活空間が作れます。
ガレージハウスのメリット・デメリットを踏まえて、車と暮らす、未来型住宅にチャレンジしてみたいものです。
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