えっ?知らないの?今人気の安心R住宅

はじめに

「新居を戸建てで」と考えた時、かつてはほぼ新築住宅のことを指していましたが、近年では既存住宅(中古住宅)の市場が拡大し、取得価格が抑えられることもあって新築住宅以外の大きな選択肢となっています。しかし、全てが新しい新築住宅と異なり、新築から年数を経た住宅に対しては不安要素が多いのも事実。そのため住宅を取り巻く業界では既存住宅に対して独自に認定基準などを設けてユーザーが購入しやすくするなどの動きも増えてきました。

そんな動きを背景に、国が動いたのが平成29年。国土交通省が既存住宅に対して多くのユーザーが抱く不安要素を払拭して選びやすくするための基準を設け、クリアした既存住宅を「安心R住宅」として位置づける制度を開始しました。国の「お墨付き」をもらった既存住宅を選ぶことができるようになり、既存住宅市場のさらなる活発化が期待されています。

選択肢が増えるという事は住宅を購入しようとしている方々にとってもプラス要素。ここでは、その「安心R住宅」について基本的なことを学んでみましょう!

安心R住宅とは

国が認めた既存住宅のこと

国が既存住宅(中古住宅)の流通をさらに活発化させるため、従来からユーザーの不安要素となっていた「不安」「汚い」「わからない」のネガティブなイメージを排除し、ユーザーが「住みたい」「買いたい」といったポジティブなイメージで選ぶことができる市場をとするために国(国土交通省)が創設した制度です。2017年に告示・施行されました。

この制度は住宅・不動産業界に対しての任意の制度で、この制度に沿った住宅を取り扱いたいと声をあげた業者団体に対して国が審査を行い「特定既存住宅情報提供事業者団体」として登録するもの。登録事業者は2019年9月現在で9団体が登録済みです。

登録団体は属する販売業者はリフォームのは既存住宅に対してインスペクション(建物の実況調査)を通じて構造上の不具合や雨漏りの有無を確かめ、対応する保険に設けられた基準に合っているかをチェックします。また、耐震性を備えているかどうかも確認します。

さらに、売主は販売しようとする既存住宅をリフォームして美しく仕上げるか、リフォームしない場合はリフォームの提案を付帯させます。

このようなチェックを経た既存住宅の広告には国が定めたマークを付けることが許され、ユーザーが一目でわかるようになっています。

●3つの要件を満たしています

①「不安」がない

現在の建築基準法に適合するかそれに準ずる耐震性を有しています
→構造上の不具合や雨漏りがなく、既存住宅売買瑕疵保険の契約に必要な基準に適合しています
→共同住宅の場合は管理規約と長期修繕計画があり、購入者の求めに応じて開示されます

②「汚い」イメージがない

→登録事業団体ごとにリフォームの実施基準を定め、実施します
→リフォームを実施しない場合はリフォームの提案書を付帯させます
→外観や主な内装、キッチン、バス、トイレおよび洗面スペースの現況を写した写真を公開します

③「わからない」イメージがない

→次のような情報を調べ、広告実施時に書類の有無や保存状況を記した「安心R住宅調査報告書」を添えます。また、購入者が求めた際には開示します

・適法性や認定、性能評価、設計図書など建築時の情報書類
・維持管理計画や点検、防蟻、修繕やリフォームに関する情報書類
・構造上の不具合や雨漏りその他の保険に関連する書類
・開口部(サッシ・窓)の仕様や省エネ設備に関する情報書類
・修繕費用の積み立てや大規模な改修歴など共用部分の管理に関する情報

→そのほか設計施工、維持管理の履歴を提供した機関の情報や、登録団体が個別に定めている点検・ローン金利優遇の情報、新築時の価格および補助金情報、設計施工業者などについての情報を収集し「安心R住宅調査報告書」に含めます。

安心R住宅 Q&A

Q:「安心R住宅」の「R」はどんな意味?
A:Reuse(リユース)、Reform(リフォーム)、Renovation(リノベーション)を表してい  ます

Q:購入後に不具合が生じた時のために保険に入れますか?
A:「安心R住宅」は保険に加入できる住宅です。国指定法人による既存住宅売買瑕疵保険に加入が可能です。

Q:住宅ローン控除が受けられますか?
A:受けられます。「安心R住宅」を購入する時、保険に加入すれば物件の築年数が20年(耐火建築物の場合は25年)を超えていても住宅ローン控除の対象となります。

Q:「安心」「わかりやすい」のほかにメリットはありますか?
A:2019年10月に税率が10%に引き上げられた場合、税率10%で住宅を取得した方に付与される「次世代住宅ポイント」(※)の上限が45万ポイント/戸に引き上げられます(通常30万ポイント/戸)。
※次世代住宅ポイント=2019年10月の消費税率引上げ前後の需要の変動を平準化するため、税率10%で一定の性能を持つ住宅を購入する人に発行される、ポイント。様々な商品と交換が可能。

Q:「安心R住宅」を探すにはどうしたらいいの?
A:不動産情報サイトや広告で見つけるほか、「安心R住宅」に取り組んでいる登録団体を調べて会員の業者に相談しましょう。2019年9月現在、以下の9団体が登録されています

・一般社団法人優良ストック住宅推進協議会(スムストック)
・一般社団法人リノベーション協議会
・公益社団法人全日本不動産協会
・一般社団法人石川県木造住宅協会
・一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)
・一般社団法人住まい管理支援機構(HMS機構)
・公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)
・一般社団法人全国住宅産業協会(全住協)
・一般社団法人ステキ信頼リフォーム推進協会

まとめ

価格が安くても、ちょっと不安な要素が少なくなかった既存住宅(中古住宅)。時代のニーズとともに近年は高品質な住宅が増えてきたこともあって既存住宅の品質も向上、市場は拡大してきています。そんな既存住宅に国の「お墨付き」を与えるのが「安心R住宅」。

この制度によって住まい手の不安がなくなり、既存住宅がぐっと身近に。さらに住宅ローン控除や瑕疵保険も整備されているので、新築住宅とほぼ変わらない条件で住まいの購入が可能となっています。

「既存住宅も検討すればよかった…」と思う前に、新居を検討している方はぜひ1度チェックしてみてはいかがでしょうか。

さらに詳しく知りたい場合は、国土交通省ウェブサイト内の「安心R住宅」ページへ!

国土交通省の安心R住宅紹介ページはこちらから