2019
12.06

宅地と分譲地の違い、注文住宅と分譲住宅の違いについて

家のいろいろ豆知識

夢のマイホームに一戸建て住宅の建築・購入を考えている人の中で、分譲地と宅地の違いについて知りたい方も多いのではないでしょうか。
家を建てるのにはまず、宅地を購入するのが良いのでしょうか、分譲地で家探しをするのが良いのでしょうか。

宅地と分譲地ではどのような点が異なり、実際に建築できる住宅には、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、マイホーム実現のために知っておきたい宅地と分譲地の違い、また、注文住宅や分譲住宅などの住宅の特徴について説明します。

住宅の種類と土地との関係

理想の家を手に入れるのには、費用の問題と一緒に、どのような家をどこに建てるかを考えなければなりません。

まず、住宅にはどのような種類があって、建てる土地によって、実際に建てることのできる家にはどのような違いがあるのでしょうか。

「注文住宅」と「分譲住宅」の違いとは

戸建て住宅で「注文住宅」と「分譲住宅」という言葉を耳にすると思いますが、実際の建設や購入に際して、これらの住宅には大きな違いがあります。

「注文住宅」とは、「宅地」に、自分の希望の設計の家を、住宅メーカーや施工会社に注文して建てる住宅です。

「分譲住宅」は宅地開発が行われた「分譲地」に建てられた、あらかじめ間取りや仕様規格が決められた「建売住宅」のことです。

「注文住宅」の場合は、建物の間取りや形状を自由に決めることができますが、「分譲住宅」では、建築前でも自由な設計の家を建てることはできません。

「注文住宅」とは~特徴やメリット

注文住宅は、ハウスメーカーの住宅モデルをベースに、変更を加えて自由度の高い家を注文設計するものです。
大手ハウスメーカーは、一流の建築家が設計した時代のニーズにあった住宅モデルを、多数提示してくれます。

それらの規格をベースに変更を加えるため、自分がイメージする希望の家を建築しやすいというメリットがあります。

「注文住宅」では、間取りや建材、設備や内装を自由に決めることができ、変更の度合いによって追加の費用が発生します。

時間と手間と費用をかけて家を建てても、結局は思ったイメージとは異なり、住みにくく、将来的に販売しにくいこともあります。

このように、「注文住宅」と「分譲住宅」では、オーダーメイドと規格品の違いがあり、そもそも、家を建てる土地の違いがあります。
それでは、「宅地」と「分譲地」はどのように異なるのでしょうか。

「宅地」と「分譲地」の違い

「宅地」も「分譲地」も、家を建てる土地という点では同じですが、家の敷地が宅地であることと、分譲地であることでは、大きな違いがあります。

「宅地」とは、土地の利用目的で、住宅を建てる土地として、行政によって定められ区分された「地目」の一つです。

「分譲地」とは、大手不動産会社などが開発する特定地域の土地で、区画整備やインフラ設備が整い、通常、建売住宅が建てられた土地です。

分譲地は、山林や田畑などの土地を、開発会社が宅地として整備し、ハウスメーカーが家を建て、住宅と土地をセットで売りに出されます。
そのため買主は、通常は建築家や施工主を自由に選んだり、自分の希望の間取りの家を建てたりすることはできません。

しかし、土地購入後に、土地の測量や地盤改良、水道管をひくなどのインフラ整備の費用がかかりません。

戸建て住宅と土地との関係

戸建て住宅を建てるには、場所や敷地面積だけでなく、周辺環境や日当たりの良さ、都心へのアクセスや将来的な不動産価値など多くの課題があります。

理想の家を建てるには、住宅地で宅地として売り出されている土地を購入して、モデルルームを見学して注文住宅を建てるのが良いように思われます。

しかし、「宅地」では、隣地との境界線の問題が後々トラブルになったり、高い建物が建って日照権やプライバシーが侵害されたりすることもあります。

一方、「分譲地」の「分譲住宅」の購入では、規制の行き届いた快適な住居環境を手に入れることができる反面、理想の家を自由に建てることはできません。

宅地も分譲地も、家を建てことのできる土地ということでは同じですが、土地を購入してマイホームを持ち、維持してゆくには大きな違いが出てきます。

宅地と分譲地の違いについて、そのメリットやデメリットについてみてゆきましょう。

「宅地」のメリットとデメリットとは

家を建てるための土地を探すのに、「宅地」とは何なのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかについて確認しておきましょう。

「宅地」とは

「宅地」とは、住宅を建てる土地を意味し、また、土地の登記簿に記載されている「地目」の一種です。

土地は、行政によってその利用状況にそくして23種類に区分され、土地登記簿上に「地目」として記載され、管理されています。

地目には、「宅地」の他に、「田、畑、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地、学校用地、鉄道用地」などがあります。

「宅地」は「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」と地目が定義されています。(不動産登記事務取扱手続準則 第68条3号)

具体的には、下記の土地が「宅地」と判断されます。

・建物が建っている敷地
・庭や菜園を含む住宅用の土地

テニスコートやプールがついていても、また、住宅の敷地に比べ、庭園・菜園が広大であっても、土地の全体的な利用目的から見て「宅地」と判断されています。

「宅地」は、都市開発や行政の管理上、利用目的を住宅地域として定めたものであって、必ずしも下水道や電気などの設備が整っているわけではありません。

地目が同じ「宅地」でも、地域によって低層住宅、中高層住宅、住居地域などの用途が決められており、建築できる建物の種類や規制内容も異なります。

「宅地」に家を建てることのメリット

「宅地」に家を建てる場合は、自由に建築設計して、自分で施工業者を選び、理想の家を建てることができます。

敷地内に、建物を建てる場所や建物の敷地面積、庭の面積や門扉・塀などの外溝、家の様式や間取りを、自由に決めることができます。

近年では、大手住宅メーカーが多様なモデル住宅を提供しており、ベースとなる規格から選んで変更を加え、短期間に希望の家を建てることができます。

「宅地」に家を建てる場合は、既に周辺環境が安定している古くからの住宅地を買うことになり、「分譲地」のような将来的な不安が少ないと言えます。

立地条件の良い土地に家を建てることで、不動産価値のある物件を所有し、建てた家が古くなっても、土地資産を残すことができます。

「宅地」に家を建てることのデメリット

「宅地」は購入後に、測量や地質調査、地盤改良、インフラ整備などの必要性が発生することがあり、これらの費用は、購入者負担となります。

そのため、「宅地」を購入する際には、「地積測量図」や地盤の状態、インフラ整備の有無などを確認してから購入する必要があります。

土地を購入した後のトラブルは自己責任になるため、住宅の建設費以外にも多くの出費や手間がかかることもあります。

また、都市計画法で、低層・中高層住宅などの用途地域が定められており、建てることのできる建造物の高さや形状が規制されています。

用途地域ごとに「建ぺい率」「容積率」「北側斜線」の法規制があるため、どれくらいの広さ、高さ、形状の家が立てられるか、事前に役所で確認が必要です。

分譲地のメリットとデメリット

実際に家を建てるための土地を探すのに、土地購入後のトラブルは大きなマイナス要素です。

それでは次に、「分譲地」とは何なのか、分譲地の分譲住宅を購入するメリットやデメリットについて見てみましょう。

「分譲地」とは

「分譲地」とは、住宅を建てる目的で開発された特定地域の土地で、既に、住宅の建設のために必要な「区画整備」や「インフラ設備」が整っています。

分譲地は、大手不動産会社などのディベロッパーが売主となり、住宅用に区画整理して販売している宅地です。

分譲地では、戸建て住宅の建設にふさわしい設備や、都心へのアクセスが確保されており、心地よい暮らしや町並みが形成されています。

電線が埋められて景観が良かったり、公園や緑地が整備されていたり、建物の高さ制限で日照が確保されたりなどの、住みやすい環境への配慮が見られます。

規模によって大規模分譲地と小規模分譲地に分かれ、一般に、10区画までの分譲地を「小規模分譲地」、30区画以上を「大規模分譲地」と呼びます。

分譲地に家を建てることのメリット

「分譲地」に家を建てる場合は、区画整理やインフラ整備を、個人で一から費用を払って行う必要はありません。

信頼のおける大手不動産会社が開発した分譲地であれば、土地の整備が行届き、購入後に多額の費用を払って、地質調査や地盤改良する必要もありません。

隣地境界線を明確にするために、土地の測量費用がかかったり、将来的に境界線で隣人とトラブルになったりする心配もありません。

分譲地の場合は購入後に、敷地内に水道・ガス・電気を引くのに追加の費用がかかることもありません

道路や隣地と高低差がある場合は、擁壁が整備された状態で販売されており、防災のため自費で新たに擁壁を設置しないでもすみます。

分譲地に家を建てることのデメリット

「分譲地」に家を建てることは、土地購入後に追加費用の不安がないという大きなメリットがあります。

しかし、分譲地は、大手不動産会社がデベロッパーとなり宅地開発を行っているため、通常、土地と建物をセットで購入することになります。

そのため、家の建築に関しては、その会社の指定した施工会社を利用することが条件となっていることが多く、これを「建築条件付き土地」と呼びます。

「分譲住宅」は、一から自分で建物の設計や内装を考える手間や時間が省かれる反面、最初から家の間取りや仕様が既に決まっています。

「分譲地」では、自分の希望の家にするために、ロフトを作りたいとか、中庭や天窓のある家にしたいなどの自由な建築設計ができません

そのため、同じような建築様式の家がずらりと並ぶ中の一軒を買うこととなり、理想のマイホームを建てたいと思う人には向いていないかもしれません。

また、宅地開発された地域全体が荒廃するケースも起きており、大規模開発された土地が将来どうなっていくかの判断は、どの不動産でも難しいです。

「分譲住宅」のメリットとデメリット

「分譲住宅」とは前述の通り、大手不動産会社などがデベロッパーとなり、宅地開発された土地に建てられた建売住宅です。

「分譲地」に建てられているため、区画整理やインフラ整備を、個人で費用を払って行う必要はありません。

「注文住宅」で家を建てるのではなく、「分譲住宅」の購入でマイホームの夢を実現するには、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

「分譲住宅」を購入することのメリット

「分譲住宅」は、前面道路幅も現在の法律にそって区画整備されているため、道路を広げるために土地を削る問題や、境界線トラブルの心配もありません。

「分譲地」は、電気・ガス・水道が敷地内に引き込まれた状態で販売されているため、一般の「宅地」のような購入後の追加費用の不安はありません。

そのため、土地購入後の不測の事態に備える費用の心配がなく、予算範囲内でマイホームの夢を実現することができます。

教育費を含む生活費を考慮した貯蓄や、準備できる頭金、月々負担のないローン返済で受けられる融資に基づいて、堅実な購入計画を立てることができます。

また、実際に現地の町並みを見学し、職場へのアクセスや教育・医療・福祉などの生活環境を総合的・客観的に検討して購入を決めることができます。

さらに、「分譲住宅」はすでに建築済みの物件が内覧でき、実物を見て判断して決めることができるため、購入後のイメージのギャップが軽減できます。

「分譲住宅」を購入するデメリット

「分譲住宅」は、画一化され区分された土地に建てられているため、建物や庭の広さ、形状が似たような住宅の中から選んで買うことになります。

ハウスメーカーが設計・建築した建売住宅を買うことになるため、庭や玄関の位置、間取りや内装もある程度決められています。

分譲地の多くは「建築条件付き」で、基本的には指定された施工会社に依頼し、自分で建築家や施工会社を自由に選ぶことはできません。

しかし、近年では、間取りパターン、内装のバリエーションも増え、自由度も高くなってきているようです。

また、建築条件がついている分譲地でも、追加費用を払って条件を外すことができる場合もあるため、確認してみましょう。

まとめ

夢のマイホームを実現するには、どのような家をどこに建てるかは大きなテーマですね。

理想のこだわりの家を建てるには、施工会社やハウスメーカーに設計を一から依頼するか、モデル住宅に変更を加えて「注文住宅」を建てる方法があります。

また、区画整理やインフラ整備が整った「分譲地」で販売される、「分譲住宅」を購入する方法もあります。
一般に、「分譲地」では、大手開発会社が宅地開発した土地に、「建売住宅」が建てられ、土地と建物をセットで販売しています。

また、住宅建設会社と協力して開発しているため、指定された施工会社で家を建てる「建築条件付き土地」になっています。
そのため、敷地内の家の建築面積を変えたり、間取りや建築様式を自由に選んだりするこができません。

「宅地」を購入して、自由に希望の家を建てるのは理想のように思われますが、実際は土地購入後の境界線や日照権のトラブルが発生しています。また、インフラ設備や土地整備の不良のために、多くの追加費用が発生するリスクもあります。

宅地に注文住宅を建てるか、分譲地の分譲住宅を購入するかでは、それぞれにメリットとデメリットがあります。

宅地を購入するときは、どのような建築規制があるか事前に確認し、将来的に有益な不動産となるかを判断して決めることが大切です。