住みたい田舎で人気がある伊那市の田舎暮らしや移住支援を紹介

長野県にある伊那市は、移住・定住者に対する充実した支援や子育て世帯へのサポートなどに定評があり、「住みたい田舎」として長野県外でも、特に人気のある自治体です。

移住・定住者の受け入れを積極的に行っている伊那市の魅力や特色についてまとめました。

伊那市とは

江戸時代まで高遠城を中心として栄えてきたエリアで、文化・学問の地としてもその名をはせてきました。2006年に伊那市・高遠町・長谷村が合併して現在の伊那市が誕生し、長野県内3位の広大な面積を誇っています。

長野県の南東部に位置し、市の東側にある南アルプスがあり、山梨県、静岡県と接しています。西側には中央アルプス、市内には天竜川・三峰川が流れる自然豊かでどこか懐かしさを感じさせる地域です。

長い歴史がある伊那市では、それぞれの地区に昔から伝わる祭りや踊りなど特色ある伝統文化が今も大切に受け継がれています。さらに南アルプス国立公園を中心としたユネスコエコパーク・日本ジオパークや高遠城址公園の桜、高遠蕎麦など地域の自然や文化を強みとした観光資源が多くあるのも特徴です。

伊那市の魅力

多くの移住者からの人気を集める伊那市の暮らしにはどんな魅力があるのでしょうか。伊那市の魅力についてさまざまな角度からみていきましょう。

都市圏からちょうどいい距離感

伊那市には、中央自動車道伊那ICチェンジがあり、名古屋からは車で約2時間30分、東京からは約3時間、大阪からは約4時間でアクセス可能です。都市圏からの移住・定住や二拠点生活などにちょうど良い距離感です。

こうした距離感を活かして、商工業や農業などもバランス良く発達してきました。市内には工業団地がいくつもあり、高度な加工技術を要する電気・精密・機械産業や食品をはじめとする健康長寿関連産業が盛んです。

暮らしの安心がある

伊那市では人口1,000人当たりの犯罪率は都市圏に比べると1/4以下という少なさ。治安が良いので、子育て世代やシニア世代も安心して暮らせるでしょう。

さらに「伊那市地域安心安全メール」では、防災・防犯の情報だけでなく、市からのお知らせ、保育園や小中学校の情報などさまざまな情報を配信しています。また、上伊那地域の中核的な医療機関である「伊那中央病院」は災害拠点病院にも指定されており、いざというときでも安心です。

充実した子育て環境と特色ある教育

伊那市内の公立保育園では、自然を通して子どもの感性・知恵を育て意欲的に行動できる「がるがるっこ」を育んでいます。また、未就園児は保育園の園庭開放や子育て支援センター、育児サークルやNPO活動などさまざまな支援を利用できます。小中学校では、農作物を育て食べる「食農体験」を通してふるさとの自然や豊かさを実感する取り組みが行われています。

自然や農業などを取り入れた子育てや教育は行政や地域、学校が連携して行っていて、地域全体で子どもの成長をサポートしています。

豊かな環境を活かした産業

伊那では肥沃な大地とミネラル分を多く含んだ水、晴天率が高く朝晩の寒暖の差が大きい気候など自然の恵みを受けた農業も盛んに行われています。標高が600~1,000mと幅広く、大都市圏への出荷が容易な立地なので、稲作や野菜、果樹、花卉など多種多様な農作物を栽培が可能です。

また、市内の大部分を占める森林を活かした林業も盛んで「林業のブランド化」「木材利用」をはじめとするさまざまな取り組みがあります。市では、新規就農・就林する人に対する支援も行っています。

伊那市の移住者支援と補助金

移住・定住者の受け入れに積極的な伊那市では、田舎暮らし、移住検討の段階から定住後までさまざまな支援制度があります。その一部についてご紹介しますので、気になるものがあれば伊那市のホームページなどで確認してみてください。

田舎暮らしモデルハウス

伊那市への移住・定住を検討している人が市内での暮らしを気軽に試せる「田舎暮らしモデルハウス」を提供しています。木の香りが心地よい一戸建てを一泊4,000円で利用でき、利用中は、自治会行事への参加のほか、市内や保育園・小学校の見学、工務店の打ち合わせなど移住に向けた体験や情報収集が可能です。3泊4日以内と短期間の利用ですが、現地での暮らしを肌で感じることができるでしょう。

田舎暮らし・定住への支援

伊那市内への移住・田舎暮らし・定住者の受け入れに対して積極的な地域である「田舎暮らしモデル地域」や高遠町区域、長谷区域への移住・定住者を対象に定住支援をはじめ、多岐にわたる助成金や支援金の制度があります。例えば、Iターンは1世帯あたり15万円(単身は7万円)、Uターンは10万円(単身は5万円)の交付金があります。

また、伊那市が移住・定住者が地域や自治会への理解を深める資料として作成した「地域の教科書」には、各区や町内会の概要や区費、年間行事などが掲載されていて、田舎暮らしにおいて重要な地域活動についての助けとなるでしょう。

住まいへの支援

前述の対象地域への移住・定住者の住まいについて、さまざまな支援が受けられます。新築・増改築、空き家取得、太陽熱システム設置などへの補助金があります。新築増改築については要件を満たすと、費用に要する経費の2/10以内、最大150万円もの補助金が交付されます。薪ストーブの設置は林業が盛んな伊那市らしい補助金です。10万円を限度とし、設置費用の1/2以内が交付されます。

また、子育て世帯が市営住宅へ入居する場合は、入居の要件を緩和するとともに、家賃が2割軽減されます。

子育てへの支援

伊那では市内の子育て世帯に対してさまざまな支援を行っています。2人目以降の保育料の減額や、0歳から中学生までの子どもの医療費助成、子育て支援センター、ファミリーサポートなどが挙げられます。また、6か月児健診の際には、木の贈り物と絵本のプレゼントがあります。

出産祝い金は住んでいる地域によって異なります。高遠町区域・長谷区域・田舎暮らしモデル地域では第1子から、それ以外の地域では第3子から交付されます。

参照元:薪ストーブ等の設置に対する補助金のお知らせ(伊那市)

伊那市の観光スポット

歴史や自然が豊かな伊那市にはみどころがたくさんあります。一度は訪れたいおすすめの観光スポットをご紹介します。

高遠城址公園

約150年の歴史がある高遠城址公園では、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の美しい景観を楽しめます。こちらで見られるのは、赤みを帯びた小ぶりの花が特徴の「タカトオコヒガンザクラ」。約1,500本植えられた満開の桜が作り出す景色は圧巻で「天下第一の桜」とも呼ばれています。また、秋には250本のカエデが園内を彩ります。春には「さくら祭り」秋には「もみじ祭り」と美しい景色の中でイベントも楽しめます。

所在地: 長野県伊那市高遠町東高遠
アクセス:中央自動車道 伊那ICから車で約30分、JR飯田線 高遠駅下車 徒歩約15分

はびろ農業公園みはらしファーム

イチゴやリンゴなどの収穫体験、そば打ちやはた織りといった手作り体験などさまざまな体験ができる体験型農業公園です。園内には、直売所や日帰り温泉、レストラン、マウンテンバイクコース、宿泊施設も併設されているので、年齢を問わずバラエティに富んだプランで楽しめるでしょう。また、園内からは南アルプスが一望でき、眺望も楽しめます。

所在地:長野県伊那市西箕輪羽広3416-1
アクセス:中央自動車道 伊那ICから車で約5分、JR飯田線 伊那市駅下車 バス約20分

かんてんぱぱガーデン

長野県で愛されている寒天ゼリーなどを製造している伊那食品工業が運営するテーマパークです。約3万坪の敷地には、四季折々に花や木々が彩るガーデンのほか、工場や直売所、レストランやカフェ、多目的ホールなども併設されています。レストランでは、寒天メーカーならではのヘルシーな寒天メニューや信州産の蕎麦などをガーデンの景色を見ながら楽しめます。

所在地: 長野県伊那市西春近広域農道沿
アクセス:中央自動車道 伊那ICから車で約15分、JR伊那市駅 飯田線下車 タクシーで約15分。

まとめ

都市圏から程よい距離感で田舎暮らしが叶う伊那市。住まいや子育てに関する支援も充実していて、移住・定住にも積極的に取り組んでいます。地区行事などを通して地元の人たちとの交流も多いので、地域に根差した田舎暮らしが叶うでしょう。