中古の家・一戸建て・中古住宅を買う前に知っておきたい注意点やポイント

日本では一般的に中古住宅に比べ、新築住宅の方が人気を得ています。しかし、近年では中古戸建ての魅力が見直され、中古の家を購入する人も増えてきています。

この記事では中古戸建てのメリット・デメリットと購入時のチェックポイントと注意点をまとめました。新築物件でのマイホーム探しが難航している方は中古物件も選択肢に入れてみるのもオススメです。

中古住宅とは

中古住宅とは既に人が住んだことがある住宅のことです。また、「フラット35」を利用する場合は借入申込日の時点で築2年以上の経過した住宅も中古住宅として扱われます。

一言で「中古住宅」といってもその状態は多様です。築数十年経ったものから、築浅で状態のよい物件もあります。古い物件でもリフォームすることを前提に購入し、購入コストを抑えるという方法もあるため、近年では中古物件が注目されています。

中古の家、一戸建て中古住宅のメリット

日本では比較的新築の家が好まれる傾向にありますが、中古戸建てにもさまざまなメリットがあります。

価格が安い

中古の家、戸建ての中古住宅は同様の広さ・立地の新築戸建てに比べて2~5割ほど価格が安くなる傾向があります。そのため、同じ金額を出すなら中古の方が広い家に住めたり、利便性のよい立地を購入できたりします。

特に木造住宅では、築20年以上になるとほぼ建物の価値がなくなり、ほぼ土地代だけとなることも。そのため、新築ではあきらめていた広さや立地など希望に叶う物件が見つけやすくなります。

ただし、不動産会社が中古住宅を買取りリフォームしてから販売する「買取再販」と呼ばれるものは、そうでないものに比べ価格が割高になる傾向です。

立地の選択肢が広がる

立地にこだわりを持っている人だと、新築戸建ての場合は、希望の地域にはすでに家が建ってしまっている、価格が高くで手が出せないなど購入できるものが限られてしまいます。しかし、中古物件は住宅のある場所ならどこでも売りに出される可能性があります。駅や学校の近くなど立地を重要視していたり、住みたいエリアが決まっている人には、大きなメリットでしょう。

また、2015年より空き家対策として空き家に対する固定資産税を増額する「空家法」が施行されました。これにより、空き家を手放す人が増加中です。そのため、選択肢はさらに広がりを見せています。

実物が見られる

中古戸建ては実物を見てから購入を決められます。新築の場合は、出来上がるまで建物を見られない場合があります。そのため、思い描いていたイメージと実際の住居にギャップを感じてしまうこともあります。中古戸建ての場合は、外観や内装といった見た目だけでなく、日当たりや風通りなどが内覧時に分かります。そのため、より具体的に生活する様子がイメージできるので、住んでからのギャップも少ないでしょう。

また、中古ならではのレトロな雰囲気は新築には出せません。実際見てみると中古ならではの味わいに魅力を感じる人もいるでしょう。

中古一戸建てのデメリットと注意点

中古住宅の注意点、デメリットもよく知ったうえで購入を検討しましょう。

設備などが古い

新築と比べると設備が古いというのは否めません。また築年数が経っているほど維持費やリフォーム代がかかることが考えられます。特に傷みが出やすい水回りはよく確認しておきましょう。リフォームする場合も現在の建築基準に合っていないと、予想以上の費用がかかる、住居の面積が狭くなってしまうことがあります。

中古住宅は住宅ローンや住宅ローン控除が受けられないケースが多い

中古住宅は新築に比べると価値が流動的なため、住宅ローンの審査が厳しくなります。そのため、物件によっては希望額以下の借入になってしまうケースもあります。

また、住宅ローン控除を受けるにも耐震性能や床面積で新築同様の条件が求められるほか、現時点では築20年以内の物件に限定されています。さらに、売主が個人の場合は消費税がかかりませんが、住宅ローン控除で戻ってくる金額が半分程度になる場合がありますので注意が必要です。

築年数の古い住宅はそれだけ安く購入できます。しかし、住宅ローン控除を受けるか受けないかによってもトータルでかかる金額は大きく変動します。物件の価格だけでなく、全体でどのくらいの金額になるのか、シミュレーションをすることが大切です。

中古住宅は保証がない場合もある

中古住宅を購入する際には、瑕疵担保責任についての取り決めが重要です。これは、購入した物件に欠陥などがあった場合の補償に関する取り決めです。

売主が宅建業者の場合は瑕疵担保期間が2年以上と定められていますが、個人の場合は瑕疵担保期間がない場合も多く、あっても2~3カ月程度です。中古住宅は十分に確認がされていないとトラブルに発展する可能性がありますので注意しましょう

購入前の物件でチェックするポイント

良い中古物件を見極めるにはいくつか確認したいポイントがあります。デザインや間取りだけでなく、ポイントを押さえて中古物件探しを始めましょう。

耐震性があるか確認する

新築物件であれば、最新の耐震性基準に基づき建築されていますが、古い中古物件だと現在の耐震基準に達していない物件もあります。

耐震基準が見直されたのは、1981年6月1日と2000年です。築年数を確認することで、どのくらいの耐震性を備えているかの目安になります。耐震性基準を満たしていければ、高額なリフォーム費用が必要となることも考えられます。また、耐震性基準は住宅ローンや税金にも関わってきますので必ず確認しましょう。

リフォームが可能か確認する

後々リフォームをすることを視野に入れて中古戸建てを探している人にとっては重要なポイントです。しかし、建物の造りや土地の問題などで、リフォームができない場合やできたとしてもかなりの費用がかかってしまう場合があります。将来的にリフォームが可能かどうかは、必ず確認しておきましょう。

また、過去の修繕記録などを確認しておくのがおすすめです。

現状をきちんと把握することで、リフォームの方向性が決めやすくなります。

建物の状態を確認する

中古住宅の柱や床は歪んでいないか、たばこやペットの臭いはないかなど建物の状態を確認しましょう。水まわり、お風呂場などの排水口の匂いは要チェックです。

その他、近隣の環境なども重要です。
公園の近くは夜中うるさい場合があるので、購入前に確認しておきましょう。

購入前の注意点

中古一戸建てを購入する際に失敗しやすい点やトラブルになりやすい点についてご紹介します。マイホームは大きな買い物ですので、後悔することの内容しっかり対策しましょう。

費用の総額の目安を決める

つい家そのものの価格にばかりに気をとられてしまいがちですが、家の購入時にはその他にも様々な費用が掛かります。

購入時の手続きに必要な印紙税・登記費用・ローン借り入れ手数料・保険料などがかかります。また、不動産会社へ支払う仲介手数料も発生します。さらに固定資産税や都市計画税などの税金もかかります。そして、中古戸建ての場合は、住宅ローン控除は使えるのか、リフォームは必要なのかについても考えておく必要があるでしょう。

こういった項目を合計するとマイホームに必要な費用の総額が見えてきますので、無理のない範囲で資金計画を建てましょう。

中古住宅の物件探しはじっくり時間をかける

中古物件は焦らず探すことが大切です。特に、古い物件は雨漏りやシロアリなど、外から目に見えない部分に傷みがある場合もあります気になる部分があり、自分で判断ができない場合は、専門の第三者に検査してもらうと安心です。

また、治安や周辺環境、交通の便なども合わせて確認しておくとよいでしょう。

契約前に重要事項説明を確認する

契約前の重要事項説明では、数多くの項目があります。

契約当日に確認するのみだとよく理解していないまま、契約を結ぶのは危険です。前もって説明をしてもらう、コピーをもらって契約日までに読むなどしっかりと確認することが大切です。

まとめ

中古一戸建て物件は、新築に比べて大幅に価格が抑えられるのが魅力です。新築ではかなわなかった希望を中古戸建てでなら実現できる可能性が広がります。

新築との違いや、中古住宅の状態をきちんと理解したうえでマイホーム探しをしましょう。

新築でなかなか思い通りの物件に巡り合えないときは、中古物件にも目を向けてみましょう。こだわりの住まいをかなえるチャンスになるかもしれません。