「栗と北斎と花のまち」小布施での田舎暮らしの魅力と移住者支援を紹介

長野県小布施町は人と人が出会う場所として昔から多くの人々を迎えてきました。コンパクトな町ながら独自の文化が育ち、まちづくりにも成功している自治体です。そんな小布施での田舎暮らしについて魅力や活用できる支援などについてご紹介します。

小布施町とは

小布施町は長野県北部の自然豊かな農村地帯です。長野県で最も小さな町で、2021年3月現在人口約11,000人、約3,800世帯が住んでいます。町役場を中心に半径約2kmにほとんどの集落が点在していてコンパクトなまちです。

小布施町では独自のまちづくりに取り組んできました。景観事業にも力を入れていて、美しい街並みや四季折々の花々が目を楽しませてくれる河原沿いの景色は必見です。国内外から年間100万人以上の観光客が訪れているだけでなく観光客のリピート率も高く、「小布施ファン」を増やしています。全国的に見てもまちづくりが成功した自治体として注目されています。

古くから人や物の交流が盛んだった小布施町。特に近年では、町内外の企業や大学、人々との交流や協働に積極的に取り組んでいて、小さいながらも勢いのある町です。

小布施の魅力

小さな町ながら魅力がたくさんつまった小布施。その魅力について詳しくご紹介します。

アクティブな田舎暮らし

小布施町では町内、地域内でのイベントが盛んです。7月に開催される「小布施ミニマラソン」には約8,000人が参加します。毎月どこかの地域でイベントを行っているので、違う地域の住民との交流も活発です。

また、ボルダリングやジャンプ台、スラックラインなどのスポーツ施設もあります。こうしたイベントやスポーツに参加することで、移住者も地元の人々との交流を自然と持てるようになるでしょう。

大地が育むおいしい果樹

長野盆地にある小布施町は昼夜の大きな気温差と降水量の少なさが特徴です。また、扇状地の肥沃な土壌があり、栗、りんご、ぶどうなどの果樹栽培が盛んです。水はけのよい酸性土壌では、特に栗の栽培が盛んです。

ブランド栗である「小布施栗」は江戸時代には献上品となるほどの品質を誇っています。名産である栗をはじめ地元産の食材を楽しめるカフェやレストランが多いのも魅力の一つでしょう。

古くから栄える文化の町

江戸時代に「六斎市」が開かれたことから小布施や多くの人や物がにぎわい経済や文化が発展してきました。葛飾北斎や小林一茶をはじめ多くの文化人が訪れ、小布施独特の文化が開花しました。小布施で生まれた作品は今でも国内外の多くの人を魅了しています。

また、人の往来が多かった小布施では昔からおもてなしの文化が育まれてきました。そのひとつが個人の庭を公開して来訪者との交流を楽むオープンガーデン。来訪者も住民も幸せになれるまちづくりが今もなお受け継がれています。

福祉・教育支援が充実

乳児から高校生まで子育てや教育に関するサポートが充実しています。「18歳以下の医療費無料」をはじめ、就学前の子どもと保護者が無料で利用できる「エンゼルランドセンター」、「乳幼児健診・子育て教室」といった子育てをサポートする取り組みを積極的に行っています。また、保育園や放課後児童クラブだけでなく、小学生を対象とした「子ども教室」、中学3年生を対象とした「学習支援セミナー」、高校生を対象としたサマースクールなど学びの面でのサポートも充実しています。

また、町内の病院は介護施設やデイサービスセンターと連携しており、チームでも医療が受けられます。子育てから介護に至るまで、小さな町ならではのきめ細やかな対応で安心して暮らせるでしょう。

小布施の移住者支援

小布施では移住や定住をしやすくするための取り組みがさまざまあります。その中から代表的なものを紹介します。要件などは詳細に定められていますので、気になるものがある場合は小布施町のHPなどで確認してみましょう。

移住定住コーディネーター

移住希望者をサポートする「移住定住コーディネーター」が在籍しています。空き家文献や不動産情報などの紹介を行っています。

小布施町をめぐるツアー

小布施町は移住希望者に向けて町内をめぐって地元の人々と交流する一泊二日の体験ツアーを随時開催しています。一日目は地元の人々との交流を通して小布施町での実際の暮らしが感じられるでしょう。二日目は町内の物件巡りです。5件程度の空き家を紹介してもらえます。また、半日でめぐる物件探しのための空き家ツアーも開催しています。

また、移住を目的として有料の宿泊施設もあります。利用することで町や地元の人々、生活などの雰囲気をつかめるでしょう。

住まいに関する支援制度

小布施町には住まいの新築やリフォームなどに活用できる支援制度が充実しています。

空き家の回収や家具・家電などの購入に利用できる「空き家活用ローン」、市街化調整区域内に住宅を新築する子育て世帯が受けられる「住宅新築助成金」、保護者が29歳以下の子育て世帯に対する「家賃補助金」などです。

ほかにも「住宅店舗の新築、増改築の助成金」「生垣づくりへの助成金」などがあります。

仕事に関する支援制度

町内で新規に就農や起業、就職する人を対象にさまざまな支援制度があります。農業を始めたい人に向けた「就農支援制度」を設けています。就農支援制度では資金面だけでなく農業体験や独立して自営できるまでのプロセスについてもサポートしています。また、町内で起業を考えている人は、「起業支援」や「空き家店舗改修」などの支援が受けられます。

東京圏や愛知県または大阪府から長野県内に移住して就業や創業する人に対する支援事業があります。要件を満たせば小布施町内への移住でも利用が可能です。

小布施の観光スポット

小布施町には自然や文化などを楽しめるスポットが多数あります。国内外から訪れる人も多い小布施の観光スポットについてご紹介します。

小布施牧場

牧場では地域内循環型かつ高品質というヴィジョンを掲げており牛の飼料の堆肥まで地域内で作られたものを使用しているという徹底ぶり。放牧型の牧場なので、牧場内で子牛と遭遇することもあります。搾乳体験や小布施繰りの収穫体験など牧場でしかできない体験も可能です。また、新鮮が牛乳を活かしたジェラートやモッツァレラチーズなどを味わうこともできます。

所在地: 長野県小布施町大島93番地59
アクセス: 上信越自動車 小布施スマートインターから車で3分、 長野電鉄小布施駅から車で5分

北斎館

日本を代表する浮世絵画家「葛飾北斎」の美術館です。北斎が小布施に来たのは80歳を超えた晩年です。北斎は地元の豪農・豪商である「高井鴻山」の庇護のもと多くの大作を残しました。貴重な肉筆の作品や、立体的な作品である「祭屋台」など、ここでしか見られない作品も数多く展示されています。

所在地: 長野県上高井郡小布施町大字小布施485
アクセス: 上信越自動車 小布施スマートインターから車で8分、長野電鉄小布施駅から徒歩12分

フローラルガーデンおぶせ

15,000㎡の庭園がある施設です。四季折々の花にあふれ、花の町小布施を体現するスポットです。北斎の「鳳凰図」をモチーフとした花壇や四季折々の花が楽しめるガーデン、また温室では約1,000本の木や花が目を楽しませてくれます。敷地内には、花屋さんやカレストランもありますので、ショッピングや食事もできます。

所在地: 長野県上高井郡小布施町大字中松506-1
アクセス: 上信越自動車 小布施スマートインターから車で10分、長野電鉄小布施駅から徒歩25分

まとめ

移住者の受け入れにも積極的な小布施町は、移住者が無理なく定住できるような取り組みを積極的に行っています。

農業が盛んな地域ですが、観光地としての側面を持ち、さまざまなイベントや行事が活発に行われています。充実した田舎暮らしを体験したい人は、一度小布施町を訪れてはいかがでしょうか。