2019
10.07

リフォームとリノベーションの違いは?理想の住まいにするのはどっち!?

家のいろいろ豆知識

近年、都心の中古マンションや、郊外の団地などで「リノベーション物件」という言葉を耳にすることも多くなってきました。

今まで、「家のリフォームをする」という話はよくありましたが、「リフォーム」と「リノベーション」とはどう違うのでしょうか。

近年、注目されているスケルトン・リノベーションや、「リノベーション」のメリット・デメリットについてもご紹介しましょう。

「リノベーション」と「リフォーム」の違いとは

「リノベーション」と「リフォーム」は、どちらも「改装・改修」という意味を持ちますが、不動産用語としては内容を分けて考えられています。

業界では「リフォーム」は元あった状態に戻す、「リノベーション」は間取りやデザイン、設備を変更して付加価値を付ける、という意味で使われています。

しかし、実際にはこの二つの言葉の違いの線引きは曖昧で、厳密に定義されているものではありません。

英語では、reformは「心を入れ替える、改宗」「悪い状態からの改良」「制度の改革」を意味し、建物の改修には、「革新、刷新、修復、再生」を意味するrenovationが使われています。

Reformという言葉が日本に入ってきたときに、壁紙を張り替えるなどの改装工事を「リフォーム」と呼ぶ、和製英語ができました。

その後、既存住宅を大規模改修することも増え、リフォームと差別化をはかり、「リノベーション」という概念が確立されるようになりました。

リフォームとは

「リフォーム」とは、「老朽化した建物を建築当初の状態に戻す」「マイナスの状態のものをゼロの状態に戻す」ための「機能の回復行為」をさします。

例えば、

・古くなったキッチン・バスの設備を取り替える
・汚れた壁紙を張り替える
・カーペットの貼り直しをする
・畳やふすまを交換する
・トイレの便器と床材を交換する
・雨戸を取り替える
・外装の塗り直しなどの修復作業をする
・老朽化した場所を改装して綺麗な状態にする

などの修復作業です。

また、賃貸マンションやアパートで、退居時に入居前の状態に戻すことを、「原状回復」と言いますが、リフォームはこのような回復工事を含みます。

リフォームとは、古くなった部分を入れ替えて元どおりにして、新築時そうであったのような状態に回復する作業を言います。

リノベーションとは

「リノベーション」とは、リフォームよりも大規模な建物の改修で、既存住宅の用途や機能を変更して性能を向上させ、住まいの価値を高める改装工事です。

部屋の間仕切りを変更たり、水周りの位置を変えて生活動線をよくしたりして、既存住宅を、時代の流行やニーズにあった機能的な住まいに作り変えます。

例えば、

・仕切りの壁を取り払って、広々としたリビングダイニングキッチンにする
・キッチンをより機能性の高いシステムキッチンで作り変える
・床・壁・天井を取り払ってスケルトンにして、間取りを変更する
・電気系統の配線や水回りの配管を刷新する
・住まいの床を、全面フローリングにする
・内外装のデザインを一新して、新しい用途に対応できるようにする
・3LDKの中古マンションを一人暮らし用の1LDKに作り変える
・IoT照明を取り付け、天井にスピーカーを埋め込み、暮らしの質を上げる
・窓の防音・壁の遮音をしたり、省エネ設備を設置したりする
・耐震性を高める大規模な補修工事を行う

などの、住みやすさを追求した、大規模改修工事を言います。

現代的なスタイルに合う間取りや内外装に改造し、よりデザイン性の高い住居空間に改良することで、既存の施設に新たな付加価値を付け加えます。

住む人のライフスタイルや家族構成に合わせて、生活環境を自分好みに作り変えることができるというのが、リノベーションの魅力です。

リフォームとリノベーションの定義

『一般社団法人 リノベーション協議会』の定義では、

リフォーム:原状回復のための修繕・営繕、不具合箇所への部分的な対処。
リノベーション:機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した包括的な改修。

と定義されています。
出典:https://www.renovation.or.jp/renovation/about/

しかし、リフォームとリノベーションは、前述の通り厳密な線引きがなく、法律の定めもなく、企業でも意味する範囲が異なることがあります。

実際には、水回りの改装工事から、大規模なスケルトンによる改修工事まで、リノベーションという言葉で表現されています。

スケルトンリノベーションとは、床・壁・天井などの内装設備を全て取り払って、コンクリートむき出しの状態から、新たに住居空間を設計し直すことです。

そのため、改修工事を業者に依頼する際に、その会社がリフォームとリノベーションをどのような内容で捉えているのかを確認しておくことも大切です。

スケルトン・リノベーションとは

既存の設備を外し、床・壁・天井を取り払ってコンクリートの骨格状態にして、設計を一からやり直すことを、スケルトン・リノベーションと言います。

スケルトン・リノベーションは、中古住宅の間取りやデザイン、設備を変更して、理想の住まいにしたいという人々の要望に応えたものです。

その人気の背景には、人口減少で空き家問題が深刻になり、政府がストック住宅の活用のために、補助金政策を打ち出している事情もあります。

築20年ほどの中古物件の価格が、新築の半値となることも多く、工事に費用をかけても得るところが多い、というのが魅力になっています。

既存住宅をその「骨組みの構造体(スケルトン)」にして、給排水管や配電をやり直すことで、新しい電化製品や設備にも対応した住居環境が作れます。

スケルトン・リノベーションの注意点

スケルトン・リノベーションでは、内装を取り払った際に建物の基礎構造に問題が発見され、追加の補修工事の費用がかかることがあります。

また、建物には、柱で支える「ラーメン構造」と壁で支える「壁式構造」があり、「壁式構造」では、間取りの変更に構造上の制限があります。

マンションの場合は、床材や壁材に防音上の規定があったり、設計に制限があったり、共用部分の変更ができないなどの規約があります。

スケルトン・リノベーションは、設計を一からやり直すなど作業する範囲が広く、費用の目安がつきにくいため、十分な資金と時間の余裕が必要です。

中古住宅を購入してリノベーションを行うメリットとデメリット

建物自体が古くても、リノベーションによって、間取りの変更や自由度の高いデザインができ、オリジナルで機能的な住まいが手に入ります。

しかしながら、リノベーションにはメリットとデメリットがあります。

中古物件を購入してリノベーションを検討する際には、そのメリットとデメリットを十分に理解していることが大切です。

リノベーションを行うメリット

・自分のライフスタイルに合わせた、こだわりの空間が自由に設計できる
・子育て環境に合わせた設計や、収納・家事動線・遊び空間にこだわれる
・北欧風・アメリカン・イギリス風などの希望のデザインが実現できる
・注文住宅のような感覚で、オリジナルの住まいが手に入る
・新築物件の供給減や価格高騰の中、新築するより格段に安い
・新築物件のでない都心部の希望エリアで、好みの生活空間が作れる
・閑静な住宅地や水辺の住まいなど、環境重視の住まい選びができる
・新築に比べて中古の供給数多いため、物件選びの選択肢が豊富
・購入価格が抑えられるので、予算を工事費や設備導入にまわせる
・工事の内容を、一から自分で管理できるので安心・納得の施工ができる
・シニアの駅近物件への住み替えにも、価格的に十分対応できる
・新設備の投入で、資産価値を上げて将来的に売却することも可能
・新築物件は購入後すぐに価格が下がるが、中古は下落リスクが少ない

リノベーションのデメリット

・購入後、リノベーションが終わるまで住めないため、仮住まいの費用がいる
・築年数が古い為に、耐震性やシロアリなど建物の基本構造に不安が残る
・断熱性や防音性などの生活の基本部分で、構造上改善できない部分もある
・耐震改修が必要な場合は、予想外のコストがかかることがある
・リフォーム会社・設計事務所・金融機関を自分で探さなければならない
・建物検査、設計、施工などの作業工程の依頼で、基礎知識と理解が必要
・建築士や施工業者との打ち合わせに時間がかかる
・リノベ完成後の仕上がりが、イメージと異なり落胆することがある
・設備を追加しているうちに、見積価格よりも予算を大きく超える場合がある
・住宅ローンの借入額に制限がある
・ローンの金利が高くなりやすい
・1981年の耐震基準の見直し以前の物件は、リノベしても転売が難しい

理想の住まいにするならどっち!?

リフォームは壊れたり古くなったりした部分を元の状態に戻す修繕工事で、リノベーションは理想の生活空間を作る大規模な改修工事です。

両者に厳密な定義はありませんが、不動産業界では「リフォーム」と「リノベーション」を分けて考えています。

そのため、中古の賃貸物件で、「リノベーション物件」などの表記が、近年目立つようになり、住み替えの新しい選択肢として注目されています。

リフォームとリノベーションの違いや、中古住宅を買ってリノベーションする場合はメリット・デメリットを理解した上で、あなたのライフスタイルに合った生活空間を、賢い選択で実現しましょう。